2004 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌における自己分泌型運動促進因子およびその受容体の発現
Project/Area Number |
16790800
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
竹内 健 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70348663)
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Keywords | AMF / AMF-R / 細胞運動能 / lung cancer / 予後 |
Research Abstract |
目的 癌細胞の運動能は癌転移や浸潤において重要な役割を担っている。癌細胞の運動能を刺激する自己分泌型運動促進因子であるAutocrine Motility Factor(AMF)は、癌細胞から分泌され、その受容体であるAutocrine Motility Factor Receptor(AMF-R)とともに腫瘍細胞の運動能と転移能を促進すると言われている。AMF,AMF-Rの免疫染色での検索では固形癌においてリンパ節転移と相関し、AMF,AMF-R発現症例では予後不良であると報告されている。 今回われわれは、肺癌臨床検体(主に手術症例)を用いて自己分泌型運動促進因子(AMF)およびその受容体(AMF-R)の遺伝子レベル、蛋白レベルでの発現量を計測しAMF,AMF-Rが予後判定や診断、腫瘍マーカーなどに使用できるか判定する。 方法 1.遺伝子レベルにおいてAMF,AMF-Rに特異的なprimer作成。臨床検体よりAGPC法によりRNA抽出、cDNA作成し、RT-PCR法により遺伝子発現量を測定とした。遺伝子発現量はアガロースゲル電気泳動しイメージアナライザーにより、バンド量比を測定。肺癌と正常肺でのAMF,AMF-Rの発現量を比較検討。 2.蛋白レベルにおいてAMF,AMF-Rに対しての抗体を作成し、免疫染色などにより蛋白レベルでのAMF,AMF-Rの発現を計測。 結果および研究進捗 1.遺伝子レベルにおいて検体約30症例よりRNA抽出終了、RT-PCR法によるAMF,AMF-Rの発現量を計測中。肺癌30症例中約25症例においてAMF,AMF-R発現陽性と判定した。今後症例数を増やし、遺伝子レベルにおいて予後や腫瘍マーカーとして使用可能か判定していく予定。 2.蛋白レベルにおいて現在抗体作成の準備中であり、免疫染色などにより蛋白レベルでの発現量を計測する予定。
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