2005 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌における自己分泌型運動促進因子およびその受容体の発現
Project/Area Number |
16790800
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
竹内 健 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 研究員 (70348663)
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Keywords | 遺伝子 / AMF / AMF-R / 肺癌 / 細胞運動 |
Research Abstract |
研究の目的 肺癌は日本や米国において第1位の死亡率で診断技術の進歩にもかかわらずその予後の改善は少ない。また、癌細胞の運動能は癌転移や浸潤において重要な役割を担っている。癌細胞の運動能を刺激する自己分泌型運動促進因子であるAutocrine Motility Factor (AMF)は、癌細胞から分泌され、その受容体であるAutocrine Motility Factor Receptor (AMF-R) とともに腫瘍細胞の運動能と転移能を促進すると言われている。 今回われわれは、肺癌臨床検体(主に手術症例)を用いて自己分泌型運動促進因子(AMF) およびその受容体(AMF-R)の遺伝子レベル、蛋白レベルでの発現量を計測しAMF,AMF-Rが予後判定や診断、腫瘍マーカーなどに使用できるか判定する。 方法 手術材料、培養細胞におけるAMF-RのRNAレベルでの発現 RNA抽出はこれらの手術材料(切除した検体は切除直後ただちに液体窒素にて凍結し保存。)と培養細胞をsemiconfluentの状態でAGPC法を用いてRNAを抽出し、Real Time (RT)PCR法でAMF、AMF-R検出。 結果および研究進捗 1.遺伝子レベルにおいて 手術検体約30症例よりRNA抽出終了、RT-PCR法によるAMF,AMF-Rの発現量を計測中。肺癌34症例中約27症例においてAMF,AMF-R発現陽性と判定した。 2.蛋白レベルにおいて 現在抗体作成を施行。約70%で遺伝子レベルと同一の結果が得られている。 今後の展望 1.遺伝子レベルにおいて。今後症例数を増やし、遺伝子レベルにおいてAMF,AMF-Rが予後や腫瘍マーカーとして使用可能か判定していくとともに、Real Time (RT)PCR法を使用し、術中リンパ節における発現を計測、リンパ節郭清の必要性についても検討していく予定。 2.蛋白レベルにおいて。免疫染色により蛋白レベルでの発現量を計測中。なお,これらの手術材料に関しては患者の同意書を得ているものだけを使用しております。
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