2004 Fiscal Year Annual Research Report
γグルタミルシステイン合成酵素特異的制御による肺癌のシスプラチン耐性の克服
Project/Area Number |
16790801
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
井上 芳正 帝京大学, 医学部, 助手 (30306716)
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Keywords | γグルタミルシステイン合成酵素 / シスプラチン / 抗癌剤感受性試験 / リボザイム |
Research Abstract |
本年度は主として腫瘍検体および感受性データの集積を行った。 症例は当院にて肺癌に対する根治術を施行した男性7名、女性3名。病理病期はIA期2例、IB期4例、IIA期1例、IIIA期3例であった。組織型の内訳は腺癌3例、扁平上皮癌4例、大細胞癌1例、pleomorphic carcinoma 1例であった。すべての症例において、肺葉切除術以上の手術が施行されている。 全例について凍結標本,パラフィン包埋組織切片の作成、抗癌剤感受性試験(CD-DST法)によるin vitroの薬剤感受性の測定をおこなった。 10例全例について感受性測定に成功し、シスプラチン0.2mg/mlで腫瘍の生育抑制率は平均37%(range20-57%)であり、シスプラチン1.0mg/mlでは平均52%(range43-84%)であった。 Xenograftの作成についてはマウスへの腫瘍検体の生着が悪く、現在のところ成功していない。 本年度以降、さらにサンプル数が増加したところで凍結標本よりメッセンジャーRNAを抽出し、real time PCRをもちいてγグルタミルシステイン合成酵素のcatalytic subunitおよびmodifier subunitの各遺伝子の発現について検討する。 現在γグルタミルシステイン合成酵素の各サブユニットに対する抗体の作成を試行しており、可能であれば免疫染色にて発現の強度を検討する。 切除検体を用いたXenograft作成は現在のところ成功していないが、今後も条件設定を変えながら生着をめざす。
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