2005 Fiscal Year Annual Research Report
光学的マッピングを用いた左心房容量負荷心房細動モデルの電気生理学的検討
Project/Area Number |
16790805
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
大森 裕也 日本医科大学, 医学部, 助手 (40343587)
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Keywords | 心房細動 / マッピング |
Research Abstract |
本研究の目的は、ヒトの慢性心房細動と同様の血行動態的条件で心房細動が発生かつ維持される実験モデルを作成し、その電気生理学的検討を行うことである。平成16年度は実験モデルの確立を行った。平成17年度は前年度にひきつづき、確立された実験モデルを多数作製し心表面マッピングを行うことにより詳細な電気生理学的検討を行った。雑種成犬10頭に対して全身麻酔、気管内挿管下に左開胸を行い、左鎖骨下動脈・左肺動脈吻合を行う。さらに、左心耳にペーシング電極を縫着し、高頻度刺激ペースメーカーに接続した。また電位記録用双極電極を両心耳に縫着し、体表より電位計測が可能なように皮膚に誘導固定した。術後一週より刺激周期100msにて左房高頻度刺激を開始し、高頻度刺激停止後に観察される心房細動の持続時間を計測した。全頭において高度のうっ血性心不全および左心房の拡大が認められ、うち3頭は心不全のため死亡、1頭はペーシング不全を生じた。残る6頭は心房細動持続時間が徐々に延長し、術後4週目には持続性の心房細動となった。これに対して256チャンネルマッピングシステムを用いて心房心外膜の電気的マッピングを行い、心房表面全体の興奮伝播の観察を行った。マッピング所見では、すべての雑種成犬において複数の起源をもつ興奮波が観察された。さらに全例において左上肺静脈より出現する巣状興奮がみられたことは興味深い。これは左房容量負荷による心房筋の伸展に起因するものと思われる。また右房を旋回するリエントリーを2例に認めた。原因として心膜切開に伴う心外膜炎や左右シャントによる肺高血圧の影響もあると思われる。今後光学的マッピングを行うことで心房全体の解析を行う予定である。得られた知見は2005年米国心臓学会議(ACC)、2005年日本胸部外科学会、2005年アジア太平洋心房細動シンポジウム(APAFS)にて発表した。
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