2005 Fiscal Year Annual Research Report
統合的薬理学的Preconditioningに関する研究
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16790807
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
藤原 弘佳 関西医科大学, 医学部, 助手 (70309243)
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Keywords | ischemic preconditioning / 心筋保護 / シグナル / KATPチャンネル |
Research Abstract |
ラットの摘出心に5分間虚血と5分間再灌流を3回繰り返すことによりischemic precondition(以下IPC)を導入、30分虚血、再灌流後の左室機能を心室容積測定装置にて測定し、その回復率とtriphenyltetrazolium chloride(TTC)染色法にて求めた梗塞サイズから心筋保護効果を評価した。その結果としてIPCを導入した群で有意に回復率が上昇し、有意に梗塞サイズが減少し、IPCの心筋保護効果が示唆された。また、心筋においてprotein kinase C、p38MAP kinaseの活性を免疫沈降法、免疫電気泳動法にて測定し、それらのシグナルの選択的阻害剤を用いてシグナル活性化と心筋保護効果との因果関係を検討した。次に薬理学的preconditionのシグナルの解析のために、adenosine、nitric oxideおよびミトコンドリアKATPの選択的開放薬であるdiazoxideをそれぞれ単独または組み合わせて投与し、それにより惹起されるシグナルを解析し、IPCによって活性化されるシグナルとの相違を検討し、解析したシグナルと心筋保護効果との因果関係をそれぞれの選択的阻害剤を用いて評価検討した。 KATPチャンネルはIPCの引き金でもあり、最終効果機構でもあるといわれている。このことを検討するためにdiazoxideを虚血前後に投与し、KATPチャンネル活性化状態と心筋保護効果との関連を検討した。KATPチャンネル活性の指標としてミトコンドリアのフラビタンタンパクの酸化状態を細胞内イオン解析装置を用いて測定している。薬理学的preconditioning法がIPCと同様に遅発性preconditioningを惹起しうるかをラット心モデルで検討した。
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