2005 Fiscal Year Annual Research Report
進行肺癌に対するテーラーメイド型ペプチドワクチン療法に向けた基盤的研究
Project/Area Number |
16790808
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
峯 孝志 久留米大学, 医学部, 講師 (00268905)
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Keywords | 肺癌 / がんワクチン / ペプチド / 特異的免疫療法 / ペプチド特異的IgG抗体 / HLA-A24 / HLA-A2 |
Research Abstract |
癌細胞に高発現する癌抗原を標的とした能動特異免疫療法の開発を行ってきた。進行肺癌患者より採取した末梢血中のペプチド特異的IgG抗体価をLuminexにて測定し、その免疫反応性を解析した。個々の症例におけるペプチドの選択をその免疫反応性に応じて行い、4種類のペプチドワクチン投与を行った。本研究期間2年間のワクチン投与継続がなされ、長期間病状安定した進行肺癌症例が得られた。ワクチンによってペプチド特異的IgGの高い抗体価が維持され、テーラーメイド型ペプチドワクチンの肺癌症例に対する有用性を示唆する結果が得られた。 至適アジバントおよび至適投与方法についての実験動物での研究も行った。癌細胞移植マウスにペプチドワクチンの全身投与と腫瘍局所部への投与の実験を行った。全身投与おけるアジュバントには不完全フロイントアジュバントを、また局所投与にはOK-432を用いた。ペプチドワクチン(全身投与)にOK-432の腫瘍局所投与を加えた動物群が、対照群(ワクチン全身投与のみ、腫瘍局所投与のみ、ペプチド投与なし)と比較して、特異的免疫の誘導が最も強く行われた。これらはペプチド特異的細胞免疫およびペプチド特異的IgG抗体価の解析によって証明した。 これらの研究結果より、肺癌に対してテーラーメイド型ペプチドワクチンが有用であること、ペプチドワクチン(全身)投与に加えて、腫瘍局所部へのOK-432およびペプチドの投与が抗腫瘍性免疫を高めることが判明した。これまで行われてきた肺癌に対する各種のワクチンでは、腫瘍退縮を得られる症例は少なく、ワクチン療法の発展型として本ペプチドワクチン療法に腫瘍内投与を加えることで高い免疫活性を引出し、進行癌においても抗腫瘍性が期待できる。今後、特異免疫療法の臨床に使用可能な根拠となる結果が得られた。
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Research Products
(1 results)