2004 Fiscal Year Annual Research Report
びまん性脳損傷後の高次脳機能障害に対する脳由来神経栄養因子投与の効果に関する研究
Project/Area Number |
16790818
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤中 俊之 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00359845)
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Keywords | びまん性脳腫瘍 / びまん性軸索損傷 / 自発行動 / オープンフィールド / impact-acceleration injury |
Research Abstract |
平成16年度は動物モデルの作成と脳機能評価法、BDNF投与法に関する基礎実験を主に行った。 1.びまん性脳損傷モデルの作成:全身麻酔下に500g雄性SDラットの頭蓋骨を露出して金属プレートを頭蓋骨中央に固定し、weight-drop deviceを用いてimpact-acceleration injuryを加えた。450g×150cmの外傷では外傷直後の生存率が約80%、2週間後の生存率が約50%であった。組織学的には頭蓋骨骨折や脳挫傷は無く、典型的なびまん性軸索損傷の所見が得られた。 2.脳機能に関する解析と条件設定:外傷モデルのラットは上記の外傷では水迷路を泳ぐことができる状態ではないと判断しまずオープンフィールドでの行動解析を行った。半径1mの25フィールドからなる円形のオープンフィールドでのラットの自発行動をCCDカメラで記録しvideo image motion analyzerを用いて処理した。反復測定によると、最も結果が安定していたのは90秒間の自発行動であった。得られたデータを移動距離、エリア横切り回数、方向転換回数、初期反応潜時について解析した。外傷群では受傷後2日目でそれぞれ前値の約40%、30%、20%に低下し、初期反応潜時は約5倍に延長した。 3.BDNF脳室内投与実験:全身麻酔下に定位的に頭蓋骨に小孔を設け脳室穿刺を行い持続脳室内注入針を留置した。浸透圧ミニポンプに200μlの薬液を封入しラットの背部皮下に埋め込み、2週間薬剤の脳室内持続注入を行った。色素をもちいた予備実験では脳室全域への薬剤投与が可能と考えられた。非外傷群のラットに対してBDNFを5μg/day 10μg/day 20μg/day投与したが、非外傷群では投与量間での死亡率などに関して明らかな差異は認めなかった。
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