2004 Fiscal Year Annual Research Report
くも膜下出血後の脳血管攣縮病態解明を通じ分子生物学的手法のPit Fallに迫る
Project/Area Number |
16790833
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
藍原 康雄 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50287372)
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Keywords | くも膜下出血 / 脳血管攣縮 / House keeping gene / RP-RCR / Genomic DNA / degenerate primer |
Research Abstract |
まずは、雑種成犬を用いた脳血管攣縮モデルの作成を行った。自家血注入モデルである実験動物を術後2日、7日、および14日の4群(n=5)に分け、それぞれ全身麻酔下に脳血管撮影を施行した。脳血管攣縮が発生していることを確認した後、脳底動脈を摘出し迅速に-80度に保存、対照群は脳血管撮影後、生理食塩水にて潅流後scarifyし脳底動脈を摘出した。次に、摘出したそれぞれの脳主幹動脈よりtotal RNAを抽出し、逆転写酵素とオリゴ(dT)プライマーを用いてcDNAを合成し、抽出量を正確に測定した。これを鋳型とし、Real-time quantitative PCRを施行し、正常血管と壁縮血管でのHouse keeping gene (beta-actin, GAPDH, Ribosomal 18s)遺伝子の発現量の定量測定を半分程終了した。また、同一サンプルよりそれぞれGenomic DNA、proteinを抽出しその絶対量を測定し終了した。上記の候補遺伝子のうち、イヌ遺伝子の塩基配列が既知の物質はその配列を解析に用いた。イヌ遺伝子の塩基配列が未知の物質においては、ヒト遺伝子とその他生物の遺伝子(例:ラット)の塩基配列を比較し、両者において相同性の高い部分の塩基配列のdegenerate primerを作成し、測定を施行した。 来年度は、引き続き抽出したproteinを用いて、Western blotting法により蛋白レベルでの変化の裏づけを行い、同時にMIB1,PCNA、CD31によるimmunohisto-chemical法にて細胞分裂の程度を確認する予定である。また、DAPI染色にて血管平滑筋細胞核数そのものの変化に変動があるか否かを突き止める。
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