2004 Fiscal Year Annual Research Report
基質に隔てられた軟骨細胞がATPによる情報伝達をしていることを証明する
Project/Area Number |
16790843
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
松崎 雅彦 島根大学, 医学部, 助手 (70343283)
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Keywords | 軟骨細胞 / 細胞内Ca濃度 / 関節軟骨 / ATP / UTP |
Research Abstract |
家兎の関節軟骨を酵素処理して軟骨細胞を単離し、比較的低密度でシャーレに撒き24時間後に分析した。 1)軟骨細胞の性質を確認:低密度培養では形質を維持しにくいため、aggrecanとtype II collagenの発現をRT-PCRで検出した。 2)細胞内Ca濃度の計測:Ca感受性蛍光色素Fura-2を培養液に加え、軟骨細胞に負荷した。蛍光顕微鏡と画像処理装置を使用して蛍光の変化を観察し、軟骨細胞で細胞内Ca濃度変化が観察できることを確認した。 3)培養細胞を機械刺激して周囲細胞への影響を確認:倒立顕微鏡でCa画像を観察しながら、ガラス棒で1つの細胞を押さえ機械的刺激を与えた。発生した細胞内Ca濃度の変化が、周囲の細胞に伝達されていくことを観察した。 4)培養液にUTPを投与した後、培養液中のATPの濃度をルシフェリン/ルシフェラーゼで計測し、軟骨細胞のATPに対する応答を細胞内Ca濃度の変化によって確認した。 5)軟骨細胞に存在するATP受容体P_<2Y2>を阻害する20μM suraminを投与し、Ca濃度の変化が伝播しないことを観察した。 組織内の細胞の観察 6)ATPの投与によって組織内の軟骨細胞が、細胞内Ca濃度を変えていることを観察:家兎の膝関節軟骨を0.2mm程度の薄片とし組織培養した。Ca感受性色素を負荷し、共焦点レーザー顕微鏡で観察しながら、ATPを培養液に加えた。細胞培養実験で効果を確認できたATP放出阻害試薬(Niflumic acidかDIDS)とATP受容体阻害試薬(suramin)によって、ATPに対する応答が消失することを観察した。
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