2004 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチ滑膜血管新生におけるADAMファミリーの役割
Project/Area Number |
16790856
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
小宮 浩一郎 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10296634)
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Keywords | 関節リウマチ / 血管新生 / ADAM |
Research Abstract |
ADAM (a disintegrin and metalloproteinase)は近年注目されているMMP近縁遺伝子ファミリーで、metalloproteinaseおよびdisintegrinドメインを有することから、プロテアーゼであると同時に接着因子としての機能を併せ持つと考えられている。 研究代表者はこれまで30種類以上の分子種からなるADAMのうち,プロテアーゼ活性を有すると考えられる10種類のADAMに注目し,関節リウマチ(RA)および変形性関節症(OA)滑膜組織における発現スクリーニングをmRNAレベルで行った.RAおよびOA滑膜組織で発現が認められたのはADAM9,10,12,15,17であった.このうちADAM12と15はOAに比しRA滑膜組織で選択的に発現しており,なおかつADAM15についてはRA全例で発現が認められた.そこでADAM15に注目し免疫組織学的解析を行うと,RA滑膜組織の血管密度とReal-Time PCR法で得られたADAM15 mRNAの発現量との間には相関関係が認められた.また,血管内皮細胞(HUVEC)を用いたスクリーニングではADAM9,10,12,15,17,19,20の発現が認められた. これらのデータからRA滑膜組織における血管新生にはADAM15が重要な役割を果たしていることが示唆される.しかしながら血管内皮細胞のスクリーニング結果が示すように,他のADAMの発現も認められる.今後,これらのADAMが基底膜分解,内皮細胞増殖,遊走,管腔の形成・維持という複数の過程からなる血管新生のどの過程で関わるのか,その役割分担について検討を行う予定である.
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