2004 Fiscal Year Annual Research Report
筋ジストロフィー生検筋細胞で発現低下する新規プロテアーゼRAMPの機能解析
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16790863
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
中山 由紀 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (30332381)
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Keywords | 筋ジストロフィー / mdxマウス / 筋再生 / プロテアーゼ |
Research Abstract |
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は新生男児の3500人に1人の高頻度で見られる。DMDは年齢依存的に進行していくため、DMD患者には筋萎縮や筋力低下をもたらす他の因子も存在していると推察される。このような因子を同定するために、我々は正常マウスとDMDのモデルマウスであるmdxマウスの骨格筋由来の細胞株をそれぞれ作製し、mdx変異により発現変動する遺伝子をマイクロアレイ解析により探索した。その結果、mdxマウス細胞株で発現が低下している新規の分子、RAMP(regeneration-associated muscle protease)を得た。RAMPが骨格筋の再生過程に働き、その発現低下はヒトDMDの病態進行に関与するかどうかを明らかにするためにRAMPの機能解析を行っている。RAMPトランスジェニックマウスを作成し、カルジオトキシン処理により人為的に筋再生をおこしたところ、RAMP-Tgと野生型マウスでは筋再生過程に違いは見られなかった。また、RAMP-Tgとmdxマウスを交配させ、ジストロフィン欠損による筋損傷、壊死をRAMPが阻止あるいは重篤化するかどうか検討した。筋損傷のマーカーである血清中のクレアチンキナーゼ活性を比較したが、mdxマウスとmdx/RAMP-Tgでは差がなかった。また、骨格筋の組織切片を作成したが、RAMPによる影響は観察出来なかった。現在RAMPノックアウトマウスを作成中であり、本マウスにより筋再生過程におけるRAMPの機能を明らかにしたい。また、RAMPにプロテアーゼ活性があるかどうかを検討するために、COS7細胞を用いてRAMP recombinant蛋白質を精製した。現在、活性を測定中である。さらに、本年度はRAMPペプチドを用いてポリクローナル抗体を作成した。今後、抗体を用いてRAMP蛋白質の発現解析を行う予定である。
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Research Products
(1 results)