2005 Fiscal Year Annual Research Report
筋ジストロフィー生検筋細胞で発現低下する新規プロテアーゼRAMPの機能解析
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16790863
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
中山 由紀 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (30332381)
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Keywords | 筋ジストロフィー / mdxマウス / 筋再生 / プロテアーゼ |
Research Abstract |
デュシャンヌ型筋ジストロフィー(DMD)患者では、年齢依存的に骨格筋の変性が進行し、結合織と脂肪で置換されていく。心筋、横隔膜の変性も進行し、若年で短い一生を終えるきわめて悲惨な病気である。一方、DMDの実験動物モデルであるジストロフィン欠損マウスmdxでは、高い筋再生能によって壊れた骨格筋繊維が再生するため、運動能の重篤な低下や心筋梗塞には至らない。DMD患者には筋萎縮や筋力低下をもたらす因子が存在すると推察される。そこで、このような因子を同定する為に、mdxマウス骨格筋で発現高進している複数の分泌性タンパク質を同定した。その中で、新規プロテアーゼRAMP(Regeneration-associated muscle protease)に注目し、機能解析を行っている。これまで、筋芽細胞株を用いてRAMPの強制発現やsiRNAによりRAMPの発現抑制を行ったが、細胞の増殖や分化には影響が見られなかった。次に、常法に従ってマウスRAMP遺伝子を欠失するノックアウトマウスを作出した。RAMP(-/-)マウスは、胎生9.5日までにすべて致死となった。胎生8.5日ステージで存在したRAMP(-/-)マウス胚では、神経外胚葉の形成はおこっていたが、胚本体は著しく小さく体節形成が遅延しているように観察された。この結果は、RAMPが筋再生だけでなく胚発生にも必須な役割を果たす可能性を示唆する。予備的実験であるが、whole mount in situ hybridizationによりRAMP mRNAは10.5日胚の肢芽に強く発現することが明らかになった。今後、胎生期におけるRAMP mRNAの発現を詳細に調べて、これを手掛かりとして、死因の特定と基質の探索を行う予定である。
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Research Products
(2 results)