2004 Fiscal Year Annual Research Report
NO合成酵素ノックアウトマウスを用いた微小脳血管の血流維持機構と静脈麻酔薬作用
Project/Area Number |
16790892
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
箕西 利之 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (40336897)
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Keywords | 脳実質内動脈 / 静脈麻酔薬 / NO合成酵素ノックアウトマウス |
Research Abstract |
(1)ラットの脳を摘出し、現有のビブラトームを用いて、新皮質を含む脳スライス標本(厚さ約150μm)を作成した。この標本を、酸素93%+炭酸ガス7%で通気したクレブス液で満たした観察チャンバーに入れ、顕微鏡で脳実質内動脈(内径10μm以下)を観察した。動脈径の変化をビデオカメラで撮影し、デジタル信号に変換した後、コンピュータに記録した。コンピュータ上で血管径測定用ソフトウェアを用いて解析した(以上のシステムは現有)。 (2)プロスタグランジンF_<2α>で標本中の動脈を収縮させた後、高炭酸ガス群では酸素90%+炭酸ガス10%に切り替え、それぞれ、NMDA(N-methyl-D-aspartate)あるいは高炭酸ガスによる脳血管拡張作用を観察した。観察用チャンバー内の酸素、炭酸ガス分圧および、pHは現有の血液ガス分析装置を用いて測定した。観察チャンバー内にチオペンタール、プロポフォールおよびケタミンを加えた後、血管径の変化を観察した。しかし、いずれの反応も、有意差をもった変化を示さなかった。傾向は見られたが、あえて今回は示さない。これは、スライスの作成手技による影響や動脈径の測定誤差に起因すると考えられる。次年度以降の実験遂行過程において、修正していくものとする。 (3)これらの脳血管拡張作用が、各種K+チャネル拮抗薬、一酸化窒素合成阻害薬、可溶性グアニレートシクレース阻害薬およびNMDAレセプター拮抗薬処置で抑制されるか否かを検討する、という事項に関しては、(2)の結果が十分得られていないため、検討できなかった。次年度以降の課題である。
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