2004 Fiscal Year Annual Research Report
破骨前駆細胞を標的とした腎細胞癌骨転移に対する新規治療の確立
Project/Area Number |
16790917
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
辛島 尚 高知大学, 医学部附属病院, 助手 (60304672)
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Keywords | 腎細胞癌 / 骨転移 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
骨組織近傍とその遠位部で発現の相違がみられる未知の増殖関連因子およびその受容体を同定するにあたって、文章にて患者さんの同意が得られた数例の外科的切除された腎細胞癌骨転移巣および我々の持つ腎細胞癌骨転移モデル(RBM1-T4 cell)から検体を採取した。凍結切片よりスライド標本を製作するのにいくつかの工夫が必要であったが、安定した標本を得ることができた。骨組織近傍の各種増殖因子ならびに受容体が高発現している部位をより正確に認識するために、H&E染色だけでなく、各種増殖因子ならびに受容体に対する免疫染色をより短時間に行い、蛋白高発現部位を確認しながらLaser Capture Microdissectionを行っている。これにより高精度に検体採取ができると考えられる。しかし、質の高い十分量のRNAを得るためには、より迅速かつ精密な手技を要すため、免疫染色の自動化を中心にRNA採取までの手技的改良を行っている。前記した各種増殖因子ならびに受容体は、過去に我々が報告したEGF、VEGF、PDGF、bFGF、IL-8などの血管新生因子ならびにその受容体、破骨細胞の分化や増殖および機能に直接影響するであろうM-CSF、PTH-rP、さらには細胞増殖の指標であるPCNAなどを選択した。われわれの知るかぎり、動物モデルとして使用できる腎細胞癌骨転移由来細胞株は1つしかない。現在、さらなる臨床検体の採取と同時に細胞株の樹立を行っており、動物モデルとして使用できる安定した細胞株を製作している。
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