2005 Fiscal Year Annual Research Report
アンドロゲン共役因子発現解析による前立腺癌再燃メカニズムの解明
Project/Area Number |
16790920
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
三好 康秀 横浜市立大学, 医学部, 助手 (60336550)
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Keywords | 前立腺癌 / 共役因子 / 再燃 / アンドロゲン / アンドロゲン受容体 / アンドロゲンコファクター / 予後 / 発現 |
Research Abstract |
【目的】AR cofactorでありp160 familyの一つであるGRIP1と、ARに比較的特異的なAR cofactorであるARA70の正常前立腺、未治療前立腺癌、再燃前立腺癌組織におけるmRNA発現レベルを解析した。【対象と方法】朱治療前立腺癌39例及び再燃癌10例を対象にARA70、GRIP1のmRNA発現レベルをreal time PCR法で定量的に測定した。これらの症例の腫瘍組織及び非腫瘍組織よりRNAを抽出し、さらにcDNAを合成した。iCycler iQ detection system (Bio-RAD)を用い、色素はiQ SYBER Green supermix (Bio-RAD)を用いた。GRIP1,ARA70に対するprimerを作成し、GRIP1,ARA70が発現している検体を用いて標準曲線を作成。β-actinの発現量を内部コントロールとして相対発現値を検出した。群間の比較はMann-Whitney U検定を用い、Spearmann's rank testを用いてAR cofactorの発現レベルと再燃までの期間との相関を検討した。全例で文書による説明と同意を得た。【結果】正常前立腺、未治療前立腺癌と再燃前立腺癌組織との間でARA70、GRIP1の発現レベルに有意差を認めなかった。発現レベルと組織学的悪性度との関係ではARA70の発現レベルは高分化癌に比べ中・低分化癌で低く、GRIP1の発現レベルは高分化癌に比べ、中・低分化癌で高かった。再燃癌の中でARA70の発現レベルと再燃までの期間には明らかな相関はなかったが、GRIP1の発現レベルと再燃までの期間には負の相関があった。【結語】前立腺癌の再燃にはAR cofactorの発現が関与している可能性が示唆された。
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