2004 Fiscal Year Annual Research Report
尿路結石患者における腎尿細管トランスポーターの遺伝子多型についての研究
Project/Area Number |
16790925
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
柑本 康夫 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (50295820)
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Keywords | 尿路結石症 / 感受性遺伝子 / 尿細管トランスポーター |
Research Abstract |
尿路結石症患者にみられる各種物質の尿中排泄異常に関わっている尿細管トランスポーターに着目し、尿路結石症の感受性遺伝子の同定を試みることを目的に研究を開始している。本年度は当科を受診した再発性尿路結石患者より24時間尿を採集し、尿中カルシウム、リン、マグネシウム、尿酸、クレアチニンなどの排泄量を測定した。また、キャピラリー電気泳動装置を用いて尿中蓚酸およびクエン酸排泄量を測定する条件を検討、これを確立し実際の測定を行なった。これらにより、一部の患者に尿中排泄量の異常が認められており、特に低クエン酸尿症や過蓚酸尿症の患者を同定することができた。また、これら患者から血液サンプルを採取し、DNAを抽出し、後に行なう遺伝子検索のために保管している。尿細管トランスポーターについては、H^+-ATPase、Cl^-/HCO2^- exchanger、ECAC1、NADC-1などに着目し、患者血液より抽出したDNAにおけるこれらの遺伝子異常を検出するため、realtime PCR法を用いて条件検討を行なっている段階である。また、健常人ボランティアからも24時間尿および血液サンプルを採取し、尿路結石患者群と同様の検討を進めている。以上のごとく、本年度においては、依然、研究目的にかなう成果が得られるに至っていないが、次年度における解析のための研究手法の確立およびサンプルの収集を行なった。
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