2005 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンD-ビタミンD受容体の発現・活性制御による新たな腎癌治療の基礎的研究
Project/Area Number |
16790926
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
小原 航 岩手医科大学, 医学部, 助手 (90337155)
|
Keywords | 腎癌 / ビタミンD / 個別化医療 |
Research Abstract |
1.腎細胞癌におけるVDR, RXRs遺伝子の蛋白発現検討 手術標本組織から得られた腎癌組織68検体(腫瘍部、非腫瘍部)を用いてVDR, RXR-α,β,γについてそれぞれ免疫染色法による発現検討を行い、臨床因子および予後との相関解析を行った。 VDR, RXR-α,βの発現と臨床因子との相関は認めなかった。一方RXR-γは腫瘍の進展ならびに遠隔転移症例で発現の低下を認めた。26例は核に発現し、29例は細胞質で発現を認めた。発現を認めない症例は発現を認める症例に比較して予後が悪い結果であった。多変量解析においてRXR-γの発現は独立した予後規定因子と考えられた。またretrospectiveな検討では活性型ビタミンDの有効例においてRXR-γの発現は低下例していた。 2.ヒト腎癌細胞株を用いたDホルモン-VDRの検討 腎癌培養株(Caki-1,Caki-2,ACHN)における各遺伝子の発現検討を行った。 RT-PCRならびにWestern blotの結果各々の細胞株においてVDRおよびRXR-α,RXR-β,RXR-γの発現を認めた。1-25(OH)2D3を投与し、各遺伝子の発現変化を検討したところ、VDRおよびRXR-α,RXR-β,RXR-γの明らかな変化は認めず、p21ならびにErk-2の発現低下を認めた。 平成18年度 引き続き、腎癌培養株に活性型ビタミンDを投与し、細胞増殖抑制効果ならびに各遺伝子の発現変化を検討する。癌組織内の遺伝子発現変化を検討し、活性型ビタミンDの有効群と非有効群の個別化治療を可能とさせる。
|