2004 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱知覚路をターゲットにした過活動膀胱に対する鍼刺激の作用機序の解明
Project/Area Number |
16790930
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Research Institution | Meiji College of Oriental Medicine |
Principal Investigator |
本城 久司 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 助手 (30351357)
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Keywords | 過活動膀胱 / 膀胱 / 膀胱知覚 / 鍼刺激 / C線維 |
Research Abstract |
まず、線維選択的に知覚閾値測定が行えるニューロメータを用いて、ヒト膀胱の知覚を客観的に評価する検討を行った。この研究によって膀胱の機能異常と膀胱知覚の過敏あるいは鈍磨との関係を明らかにし、特に過活動膀胱を呈する患者においてC線維の有意な閾値低下がみられ、膀胱知覚過敏と評価可能であった。この検討によって得られた知見から、膀胱知覚過敏と評価された過活動膀胱患者に対する鍼治療の効果を膀胱知覚と膀胱機能の観点から検討中である。本検討で鍼治療後の膀胱機能の改善に伴って、膀胱知覚の過敏状態が正常化あるいは鈍磨傾向になることが明らかにされた。その成果の一部について2004年に開催されたInternational Continence Society Annual Meeting (ICS 2004, Paris, France)にて報告した。 次に、ラットを用いて鍼刺激の作用機序を解明に関するために、膀胱知覚路に焦点を当てて検討を行った。具体的には、求心性C線維に重要な関与をしているバニロイド受容体TRPV1(VR1)や尿路上皮において膀胱知覚に関して重要な働きをしているアデノシン三リン酸(ATP)の受容体であるP2X3など、尿意の知覚に関与する物質の発現をReal-time RT PCR法を用いて鍼刺激の影響を検討中である。 さらに、膀胱知覚路の機能障害を有する状態にするため脊髄損傷モデルラットを作成し、脊髄損傷後の膀胱機能に対する鍼刺激の影響をin vivo、in vitroで検討中である。
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