2005 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱知覚路をターゲットにした過活動膀胱に対する鍼刺激の作用機序の解明
Project/Area Number |
16790930
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Research Institution | Meiji College of Oriental Medicine |
Principal Investigator |
本城 久司 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 助手 (30351357)
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Keywords | 過活動膀胱 / 膀胱 / 膀胱知覚 / 尿意 / C線維 / 鍼刺激 |
Research Abstract |
まず、ヒト膀胱の知覚を非侵襲的に評価するために、排尿時の尿意を併記する排尿記録を作成し、住民検診受診者において検討した。この研究によって尿意に関する加齢変化および過活動膀胱を有する検診受診者における排尿量と尿意との関連性が明らかになり、特に過活動膀胱のうち切迫性尿失禁を有する検診受診者では常に強い尿意を自覚しながら排尿していることが明らかとなった。 さらに、線維選択的に知覚閾値測定が行えるニューロメータを用いて、ヒト膀胱の知覚を客観的に評価する検討を行った。この研究によって間質性膀胱炎患者においてC線維の閾値低下あるいは閾値上昇がみられ、膀胱知覚の過敏あるいは鈍磨な症例が存在し、膀胱知覚過敏と評価された間質性膀胱炎患者において鍼刺激後に有意な閾値の上昇がみられ、同時に膀胱容量の増大および症状の改善が認められた。以上の成果の一部について2005年に開催されたInternational Continence Society Annual Meeting (ICS 2005, Montreal, Canada)にて報告した。 次に、ラットを用いて鍼刺激の過活動膀胱に対する作用機序を解明に関するために、膀胱知覚路に焦点を当てて検討を行った。具体的には、膀胱知覚路の機能障害を有する状態にするため頻尿モデルラットおよび脊髄損傷モデルラットを作成し、膀胱機能に対する鍼刺激の影響を膀胱内圧測定を指標にin vivoで検討するとともに、膀胱知覚に関連し、求心性C線維に重要な関与をしているバニロイド受容体TRPV1(VR1)や尿路上皮において膀胱知覚に関して重要な働きをしているアデノシン三リン酸(ATP)の受容体であるP2X3などの発現の変化について免疫組織化学的手法を用いてin vitroで検討中である。
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