2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790933
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
末金 茂高 久留米大学, 医学部, 助手 (40235833)
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Keywords | 腎細胞癌 / ペプチドワクチン |
Research Abstract |
癌抗原の腎細胞癌における発現解析:肺癌、食道癌、胃癌、膀胱癌、および脳腫瘍のcDNAライブラリーより100種以上の癌抗原遺伝子およびそれらによってコードされている数百個の癌抗原ペプチドを同定している。本年度はこれらの癌抗原については腎細胞癌での発現を網羅的にかつ定量的に解析した。解析方法としては、1)mRNA発現、2)タンパク発現、3)ペプチド発現、4)特異的キラーT細胞発現、および5)特異的抗体発現、による方法である。本年度は、1)、4)、5)の方法で癌抗原の発現解析を行なった。1)mRNA発現:これらの癌抗原遺伝子に関してはすでにPCR用のプライマーが用意されている。そこで、それらを用いた定量PCRにより、腎細胞癌細胞株および腎細胞癌組織における癌抗原遺伝子の発現を調べた。 テーラーメード型ペプチドワクチンの臨床試験:上記の基礎研究と並行して臨床試験を開始した。特異的T細胞や抗体を検出することにより抗原の存在、すなわち癌抗原の発現を調べることが可能であることはすでに述べた。この方法により存在が認識できた抗原ペプチドを患者に投与すれば、患者体内で癌抗原に反応性のキラーT細胞を増やすことが可能であり、癌を排除できることが期待される。そこで、それらのペプチドに対する患者末梢血T細胞および血中IgG抗体の反応性も網羅的に調べ、個々の患者で反応の認められた抗原ペプチドを投与するテーラーメード型ワクチンの第I相・早期第II相臨床試験をインターフェロンアルファおよびインターロイキン2が無効な進行性腎細胞癌に対し実施し、安全性および免疫学的有用性について症例を重ねて検討している。
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