2005 Fiscal Year Annual Research Report
新たなヒト無精子症の原因遺伝子の単離およびその機能解析
Project/Area Number |
16790934
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
宮本 敏伸 旭川医科大学, 医学部, 助手 (70360998)
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Keywords | 無精子症 / 減数分裂 / FKBP6 / imprinting |
Research Abstract |
FK506 binding protein 6(Fkbp6)はprolylisomerase/FK506結合ドメインとtetratricopeptide protein-protein相互反応ドメインを含む遺伝子ファミリーに属する。マウスFkbp6は精巣特異的に発現し、そのノックアウトマウスは全く健康であった。しかし、オスのhomo-mutantは全く生殖能を有していない。その精巣は明らかにサイズが減少し、成熟精子が全く存在しない。マウスFkbp6遺伝子の欠損は減数分裂における異常を引き起こす。故に我々はヒトFKBP6遺伝子と非閉塞性無精子症との関係を解析した。まずヒトFKBP6の発現パターンを様々な組織を用いてRT-PCR法にて解析した。次にヒトFKBP6と無精子症との関係を同定するため、そのcoding region及び隣接するイントロンでGenomic DNAを用いてmutation検索を行った。全ての患者は文章による同意及び大学の倫理委員会の承認を得た後に解析は開始された。更にヘテロの配列を示したものはRNAを用いてRT-PCR産物をダイレクトシークエンス解析した。 我々は19名の減数分裂異常を伴う無精子症患者を解析し、エクソン3におけるグアニンとシトシンからなるヘテロの配列を検出した。正常ではシトシンである配列がグアニンに変換すると早期のストップコドンが出現し、わずか60個のアミノ酸しかコードされず、不完全なFK506結合ドメインが形成される可能性がある。RNAレベルではヘテロの配列のうち片側のみしか発現しておらず、ヒトFKBP6はGenomic imprintingを受けていることが判明した。我々はヒトFKBP6がimprinting遺伝子であることを証明した。今後更なる解析を進め、ヒト無精子症との関係をより明らかにしていきたい。
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Research Products
(4 results)