2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790943
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
宮崎 聡美 富山大学, 医学部, 助手 (90361956)
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Keywords | 妊娠 / 樹状細胞 / idoleamin 2,3-dioxygenase (IDO) / 子宮内膜症 / 制御性T細胞 |
Research Abstract |
妊娠初期脱落膜中の樹状細胞のindoleamine 2,3-dioxygenase (IDO)発現を検討するため、自然妊娠例および自然流産例の末梢血と脱落膜より単核球を分離し樹状細胞の細胞内IDOの局在につき検討した。また、樹状細胞のIDO産生能を検討するため、IFN-γあるいはhuman recombinant CTLA-4/Fc chimeraにて刺激した後のIDO局在についても検討した。末梢血においてはhuman recombinant CTLA-4/Fc chimeraにて刺激後のIDO陽性樹状細胞の割合は正常妊娠例に比し自然流産例において有意に減少していた。また、脱落膜においては未刺激の場合およびhuman recombinant CTLA-4/Fc chimeraにて刺激した場合においてIDO陽性樹状細胞の割合は正常妊娠例に比し自然流産例において有意に減少していた。免疫機能を抑制することが知られているindoleamine 2,3-dioxygenase(IDO)の樹状細胞における発現が自然流産例において減少していることから、IDOが妊娠維持に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。 また、子宮内膜症症例において異所性に子宮内膜が生着するメカニズムの解明のため局所の免疫環境を検討した。樹状細胞については細胞数が少なく検討が困難であったため、樹状細胞などの抗原提示細胞からの刺激を受け、免疫寛容に働く制御性T細胞の局在につき検討した。子宮内膜症患者の末梢血および手術時に得られた腹水より単核球を分離し、CD4陽性CD25陽性細胞を制御性T細胞としCD4陽性細胞中のCD4陽性CD25陽性細胞率を検討した。末梢血に比し腹水中においてCD4陽性細胞中のCD4陽性CD25陽性細胞率が上昇している傾向が認められた。このことより子宮内膜症の発症局所において免疫寛容に傾いている可能性が示唆された。今後、非子宮内膜症症例における腹水中の制御性T細胞率を確認する予定である。
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