2005 Fiscal Year Annual Research Report
カルポニン遺伝子導入による卵巣癌腹膜播種抑制の機序解析に関する研究
Project/Area Number |
16790960
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
上岡 陽亮 九州大学, 大学病院, 助手 (50372743)
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Keywords | カルポニン / 卵巣癌 / 腹膜播種 |
Research Abstract |
1.腹膜中皮細胞およびヒト卵巣癌細胞にCNh1遺伝子を導入したときの影響の検討 マウス腹膜中皮細胞株CCL14では卵巣癌細胞培養上清の添加で、アクチンストレスファイバーが減少し細胞質の収縮・細胞の縮小化、それに伴い細胞間隙の開大、培養皿からの剥離が生じた。(CNh1遺伝子が導入された腹膜中皮細胞では、卵巣癌細胞培養上清の添加に伴うこれらの現象が抑止された。腹膜中皮細胞層への卵巣癌細胞の浸潤も抑制された。ヒト腹膜中皮細胞においてもCNh1遺伝子が導入による同様の影響が確認された。 ヒト卵巣癌細胞SKOV3,SHIN-3,MCAS/asにCNh1遺伝子を導入すると、アクチンストレスファイバーの発現増強、細胞の扁平・伸展化、足場非依存性増殖能の低下、細胞運動能と浸潤能の低下を認めた。 腹膜中皮細胞と上記卵巣癌細胞の双方にCNh1遺伝子を導入すると、腹膜中皮細胞層への卵巣癌細胞の浸潤は相加的に抑制された。 2.マウスにおけるCNh1遺伝子を導入したときの影響の検討 マウス腹膜の電子顕微鏡を用いた観察では、マウス腹腔内への卵巣癌移植により腹膜細胞表面に無数の微小突起形成がみられた。しかしこの現象は腹腔内へのCNh1遺伝子導入により消失することを確認した。宿主側であるマウス腹膜がCNh1遺伝子導入により卵巣癌細胞の接着・浸潤に対する抵抗性を得ることが示唆された。 ヒト卵巣癌細胞株SKOV3をマウス大腿に移植して生体内での造腫瘍能を検討したところ、CNh1遺伝子を導入した卵巣癌細胞では腫瘍増殖能が低下していた。
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Research Products
(1 results)