2004 Fiscal Year Annual Research Report
婦人科悪性腫瘍におけるEtsファミリーの発現と機能の解析
Project/Area Number |
16790961
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
高井 教行 大分大学, 医学部, 助手 (50295185)
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Keywords | 子宮頚癌 / 子宮体癌 / 卵巣癌 / c-Ets1 / Elf-1 / 浸潤 / 転移 |
Research Abstract |
ProtooncogeneのEtsファミリーには、標的になる遺伝子・蛋白としてuPA,MMP-1,MMP-3,MMP-9,integrinなどの蛋白分解酵素、cyclinファミリーなどの細胞周期調節蛋白などがあり、癌の浸潤・転移や増殖・分化に関与する。われわれはEts-1蛋白が子宮体癌[Takai et al, Cancer, 2000]と上皮性卵巣癌[Takai et al, Int J Mol Med, 2002]において過剰発現し、Elf-1蛋白の発現が子宮体癌[Takai et al, Gynecol Oncol, 2003]と上皮性卵巣癌[Takai et al, Int J Mol Med, 2003]の病理組織学的予後因子と相関していることを報告してきた。しかし、この2つを含むすべてのEtsファミリーのmRNAや蛋白が臨床的にどのような癌細胞で、どのような分化度の細胞で、どの程度の発現が認められるのかなどほとんど解析されていない。そこで、子宮癌、卵巣癌の増殖・分化・浸潤・転移機構とEtsファミリーとの関係について検討し、さらにその癌に罹患した患者の予後を検討した。すなわちEtsファミリーが、どうの様な癌細胞で、どのような分化度の細胞で、どの程度の発現が認められるのかを確認した。さらに、臨床材料では解析不可能なmitogenなどによる刺激実験を培養癌細胞(HeLa細胞、HUAA細胞、OMC-3細胞など)で解析を行った。ノーザン法、in situ hybridization法、免疫組織化学法により、Etsファミリーは分化度の低い症例や臨床進行期の進んだ症例に多く発現している事を明らかにした。
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