2004 Fiscal Year Annual Research Report
鼻アレルギーにおけるPPARγの炎症抑制作用についての検討
Project/Area Number |
16790983
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
本田 耕平 秋田大学, 医学部, 講師 (10312711)
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Keywords | PPARγ / 鼻アレルギー / 好酸球 |
Research Abstract |
(目的)PPAR(Peroxisome Proliferator-Activated Receptors)はステロイドホルモンレセプター等と同様リガンド応答性の核内レセプターファミリーのメンバーである。PPARはリガンドと結合しRXRとヘテロ2両体を形成し標的遺伝子の転写を制御する。他の核内レセプターが特定のリガンドに結合するのに対しPPARは種々のリガンドと結合し糖・脂質代謝や血管機能などの生体のホメオスタシス制御において主導的な役割を果たしていることも明らかになってきた。PPARはα、β、γの3つのサブタイプに分類される。PPARγは主に脂肪組織、消化管、副腎などに発現しチアゾリジン誘導体やPGD_2の代謝の代謝産物であるプロスタグランジンJ_2(PGJ_2)などをリガンドとし脂肪細胞の分化や増殖に必須の働きを果たしている。近年、マクロファージ、肥満細胞等にも発現し炎症制御にも関与していることが報告されている。我々はPRARγが好酸球に発現しアレルギー性炎症制御に関与していることを報告した。今回鼻アレルギーマウスモデルを用いPPARγアゴニストの鼻アレルギーにおける抗炎症作用について検討した。 (方法)Balb/cマウスを用いOVA+Alumで4回腹腔感作し2週間OVA点鼻投与で抗原暴露した。PPARγアゴニストはOVA点鼻時に同時点鼻投与した。最終OVA暴露から2日後にOVA点鼻誘発時の鼻かき回数、くしゃみ回数を測定した。また鼻粘膜中好酸球数を検討した。 (結果)PPARγアゴニストの点鼻投与はくしゃみ回数、鼻かき回数を抑制した。鼻粘膜中の好酸球数はPPARγアゴニスト投与群と非投与群の間で明らかな差は認めなかった。 (考察)PPARγは鼻アレルギー反応を抑制する可能性があるが、今後さらなる検討が必要である。
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