2005 Fiscal Year Annual Research Report
In site tissue engineeringによる中耳の再生
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16791022
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
谷口 雄一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (30307475)
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Keywords | 中耳粘膜シート / 三次元人工中耳粘膜 / 温度応答性培養皿 / 移植 / 中耳真珠腫 / 癒着性中耳炎 |
Research Abstract |
真珠腫や癒着性中耳炎の術後では鼓膜の再癒着や陥凹を防ぐために、術後早期に粘膜が上皮化されることが重要である。そこで人工中耳粘膜の移植により粘膜を早期に再生させ含気化を確保する実験を行った。家兎の中耳粘膜上皮細胞および繊維芽細胞を分離培養し、三次元人工中耳粘膜を作成し移植を行い、植部位での粘膜再生は組織学的・機能的に良好な結果が得られた(16〜17年度)。さらに本年度は臨床応用に向けてさらに薄く、接着性の高い中耳粘膜シート作製を家兎を用いて検討した。対象動物として、成熟白色家兎を用いた。麻酔法はペントバルビタールを静脈注射し、自発呼吸下に下顎の後方を縦切開し中耳骨胞を露出した。顕微鏡下に耳手術用ドリルを用い、中耳骨胞下面に5mm大の小孔を開放し、鼓膜下端から耳管鼓室口までの内腔の粘膜を採取した。採取した中耳粘膜の初代培養はExplant Culture法にて行い、KCM、10%FBSを培地として用いた。約1週間培養したのち継代し、コラーゲンコートした温度応答性培養皿に細胞を播種した。その後約2週間培養した後に低温処理(20℃)により移植可能な細胞シートとして回収した。温度応答性高分子であるポリイソプロピルアクリルアミドをグラフトした温度応答性培養皿を用いて過去に例のない中耳粘膜細胞シート作製に成功した。三次元人工中耳粘膜に比較して約半分の薄さであり、細胞外マトリックスを同時に回収することで接着性が飛躍的に向上した。免疫染色では1〜2層のpancy-tokeratin陽性上皮細胞及び上皮下にvimentin陽性の間葉系の細胞が認められ、正常の中耳粘膜に類似していることが確認された。SEMでは、細胞は多角型で辺縁は明瞭であり、細胞同士は敷石状に配列していた。TEMでは単層の上皮形態であり、連続した基底板が確認された。また作製した粘膜シートを用いて移植実験を現在施行中である。
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