2004 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部癌における新規Myc標的遺伝子mina53の発現と予後との関連
Project/Area Number |
16791031
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
坂本 菊男 久留米大学, 医学部, 助手 (70279222)
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Keywords | 頭頸部癌 / CD9 / mina53 / 舌癌 / 扁平上皮癌 / 免疫染色 |
Research Abstract |
A.CD9は様々な悪性腫瘍での発現が報告されている。CD9は膜貫通部位を4カ所もつ分子量27kDの膜蛋白質であり、HB-EGFとインテグリンとアソシエートし細胞間や細胞内の接着を伴う細胞間相互作用に働いていることが示唆されている。抗CD9抗体を用いて舌癌におけるCD9の発現を調べることによりCD9の舌癌細胞の浸潤、転移に果たす役割を解明する。成人の正常舌粘膜(重層扁平上皮)では、CD9は基底膜側の細胞間に発現しているが、癌の部分ではCD9の発現は減弱している傾向がみられた。88例の舌癌を調べたところ53例(60.2%)で発現の減弱を認めた。CD9発現の減弱は頸部リンパ節転移において有意差を認めた(p=0.001)。 B.MycはCdc25,Id2,RCC1(Oncogene, Tsuneoka et al. 1997)など細胞増殖に直接関連する遺伝子の発現を調節している。最近c-Mycによって発現上昇する遺伝子をcDNAマイクロアレイを用いて網羅的に同定し、その中に含まれていた新規遺伝子の一つは、Myc蛋白質が直接そのゲノム遺伝子に結合することにより発現調節されることが確認され、細胞核に存在する分子量約53kDaの新規蛋白質をコードしていることがわかった。この新規遺伝子はmina53(Myc-induced nuclear antigen with a molecular mass of 53 kDa)と名付けられ解析が行なわれている(J.Biol.Chem.,Tsuneoka et al. 2002)。頭頸部癌組織中でのMina53発現を調べ、Mina53が治療のターゲットとなりうるがんを特定する。頭頸部癌組織でMina53蛋白質発現を抗nima53抗体を用いて免疫組織学的実験に取りかかったところである。
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Research Products
(6 results)