2005 Fiscal Year Annual Research Report
エレクトロポレーション法による局所遺伝子導入法を用いた新しい緑内障濾過手術の開発
Project/Area Number |
16791039
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
間宮 和久 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (60344610)
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Keywords | matrix metalloproteinase-3 / エレクトロポレーション法 / 緑内障手術 |
Research Abstract |
本研究の目的は、緑内障濾過手術に際してあらかじめ結膜組織へ濾過胞形成維持に必須な因子を遺伝子導入し、理想的な濾過胞手術をデザインすることを目的とし、期間内に将来的に遺伝子導入を併用した緑内障手術を臨床応用するための基礎として最も重要と思われる次の2つの項目について検討することを企画した。 1)遺伝子導入と手術を併用した際の濾過胞形成が長期間維持されるかを検討する。 2)遺伝子導入により濾過胞以外の眼組織にどのような影響を及ぼすかを検討する。 結膜組織で発現するベクターにpTracer-CMV【○!R】を選択し、結膜弛緩症や翼状片などで多く発現し、また抗緑内障点眼薬であるラタノプロスト点眼においても発現が認められているmatrix metalloproteinase-3(MMP-3)を緑内障濾過手術における濾過胞形成維持に関与することが推測される因子であると考え、このpTracer-CMV【○!R】ベクターに挿入した。 このベクターのウサギ結膜への遺伝子導入が可能であるか検討するために、cup電極を用いたelectroporation法により結膜への導入を試みたところ、green fluorescence protein発現を確認することにより、その導入が可能であることが確認された。そこでMMP-3遺伝子を挿入したベクターを用い、直接ウサギ眼緑内障手術の前に結膜に導入して濾過胞形成に及ぼす影響等について眼圧レベル、濾過胞の形態等について検討した。 この結果、緑内障濾過手術単独およびマイトマイシンC併用を併用した緑内障濾過手術と、その眼圧経過を比較したところ、マイトマイシンC併用と同等の眼圧下降を示すことが明らかになった。2)に関しても形態学的に正常組織と変化が認められなかった。
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Research Products
(4 results)