2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16791041
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
板橋 俊隆 東北大学, 病院, 助手 (20372295)
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Keywords | 遺伝性網膜変性疾患 / 錐体棹体ジストロフィ / コロイデレミア / 遺伝子変異 |
Research Abstract |
我々は、遺伝性網膜変性疾患の患者に対して既報告の原因遺伝子を用いてスクリーニングを行い、遺伝子異常と臨床像との関連について研究してきた。遺伝子異常を確認した症例については、発症年齢、病気の進行速度、眼科的検査所見を詳細に検討し、日本人患者における臨床的特徴を把握するよう研究を行い、その結果を学会発表及び論文報告として患者に還元出来るよう努めてきた。今回の1年間では、網膜電位図において陰性b波を示す常染色体優性錐体桿体ジストロフィ患者にCRX遺伝子異常を確認し、13年間の臨床経過について検討を行った。その結果、網膜電位図で陰性b波を示す錐体桿体ジストロフィの症例は、CRX遺伝子変異をもつ確立が高い事が分かった。また、今回の症例を含め、当科においてCRX遺伝子変異が確認された4家系を検討した結果、40台で発症して50台で急速な進行を示す傾向が認められた。さらに、コロイデレミアの2家系に対してCHM遺伝子変異のスクリーニングを施行し、それぞれに402delT変異と555-556delAG変異を確認した。この疾患はX染色体劣性遺伝形式を示し、80%以上の確立でCHM遺伝子異常が確認されるものであり、遺伝子診断の有用性が再確認された。それにより臨床面では患者に対して遺伝形式や今後の進行について等の遺伝カウンセリングが可能であった。我々は、継続して遺伝性網膜変性疾患患者に対する原因遺伝子変異スクリーニングを行っており、それに加えて外来診療においては患者の臨床像の検討を行っている。その結果を学会発表し、かつ論文として報告している。
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Research Products
(5 results)