2005 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニックマウスと培養網膜神経節細胞を用いた視神経障害機序研究
Project/Area Number |
16791044
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
間渕 文彦 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (20322125)
|
Keywords | 緑内障 / 網膜神経節細胞 / マウス / Thy 1 / GFP / コラーゲン / neurofilament |
Research Abstract |
これまで報告のなかったマウス網膜神経節細胞(RGC)の単離培養を、BarresらがラットのRGCを単離する方法として報告した2 step panning法をもとに試みることにより可能となったため、この培養系を用い、RGCの特異的蛋白であるThy1蛋白遺伝子にgreen fluorescent protein (GFP)遺伝子をtransgenicさせることにより青色光にてRGCが自発蛍光するトランスジェニックマウス(RGC蛍光蛋白発現マウス)のホモまたはヘテロ遺伝子変異型RGCが、野生型RGCと同等の細胞形態、細胞活性を有するかを検討した。単離培養されたホモまたはヘテロ遺伝子変異型RGCは、樹状突起の形成が不良であり、野生型RGCと比べ形態的に異なる傾向が認められたが、自然経過または遠心による圧力など負荷をかけた際のRGCの細胞活性(生存率)をATPを計測することにより比較したところ、遺伝子変異型RGCと野生型RGCの間に明らかな違いはみられないようであった。また、matrix metalloproteinase 1によりコラーゲンIが代謝されないためコラーゲンIが生体内に蓄積し、眼圧上昇、RGC障害のみられるトランスジェニックマウス(コラーゲンタイプI代謝異常マウス)において、視神経へのコラーゲンIの蓄積の程度、緑内障による視神経線維障害早期に認められるneurofilamentの脱リン酸化の程度を、免疫染色にてホモ遺伝子変異マウスー野生型マウス間で比較検討したところ、視神経におけるコラーゲンIの発現に明らかな差は認められなかったが、野生型マウスよりもホモ遺伝子変異マウスにおいて、neurofilamentの脱リン酸化が認められる可能性が示唆された。
|