2004 Fiscal Year Annual Research Report
虚血時初代網膜神経節細胞へのエリスロポエチンによる保護効果および小胞体ストレス
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16791049
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平山 倫子 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (50363057)
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Keywords | 網膜神経節細胞 / エリスロポエチン / アポトーシス / 小胞体ストレス / 緑内障 |
Research Abstract |
緑内障の発症に神経栄養因子由来の生存シグナルの欠乏や小胞体ストレスに由来する網膜神経節細胞のアポトーシスが関与している可能性が考えられているので、その分子メカニズムを解明するとともに、エリスロポエチン(Epo)によるアポトーシスの保護作用を検討した。 材料として新生ラットの網膜より分離した神経節初代培養細胞を用い、網膜神経節細胞を90%以上の純度で100万個程度分離できる実験系を確立した。この細胞にEpoレセプターが虚血時、非虚血時ともに発現することをRT-PCR法および2重免疫染色法(Thy-1.1抗体およびEpoR抗体)で確認した。Epoは、グルタミン酸または一酸化窒素(NO)誘導性のアポトーシスから網膜神経節細胞を保護することをXTT法で示した。その分子メカニズムを解明するため定量的real time PCF法でBcl-2ファミリーの発現を評価したところ、NOによる毒性において網膜神経節細胞ではBcl-2の発現が低下していたが、Epoはその発現抑制を改善することが明らかとなった。一方、EpoはBDNFと異なり、神経栄養因子としての機能を有さないことがXTT法で明らかとなった。BDNFはサイトカイン欠乏によるBimの発現誘導を抑制したが、Epoは抑制しなかった。この点が両サイトカインの神経栄養因子としての機能の有無に関係する可能性があることが示唆された。以上より我々は、Epoが初代培養網膜神経節細胞においてストレス誘導性のアポトーシスを抑制する機能を有していることを明らかにした。
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