2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16791069
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
藤巻 拓郎 順天堂大学, 医学部, 講師 (50333042)
|
Keywords | 角膜内皮細胞 / VIII型コラーゲンα1鎖 / 遺伝子導入 / プロモーター |
Research Abstract |
全層角膜移植術において、良好な内皮機能を維持したまま多くのドナー角膜を確保する事は、日本において未だ難しい点がある。そのため角膜内皮細胞の機能維持に細心の注意を払わなければならない。我々は将来の安全な角膜内皮細胞への遺伝子導入治療に向けた角膜内皮特異的プロモーターエレメントを明らかにすることを目的とする。過去にAAV : adeno associate virusやリポフェクション、ジーンガン等の方法で角膜内皮に遺伝子導入が試みられたが、いずれもSV-40などのプロモーターを用いており、ターゲット以外の組織や細胞にも遺伝子を導入してしまう可能性が大きい。その点、組織特異的なプロモーターを用いれば、目的の組織や細胞にのみ、遺伝子を発現させることが出来ると考えられる。我々は角膜内皮細胞における遺伝子発現プロファイルを明らかにするため、家兎角膜内皮培養細胞cDNAライブラリーをシークエンスすることで解析してきた。1000個のクローンのうち、VIII型コラーゲンα1鎖(COL8A1)が最も頻度の高い遺伝子(15/1000)であった。公開されているヒトゲノム配列をもとにプライマーを設計。正常者のCOL8A1のプロモーター領域1kbをPCR法により増幅、精製。塩基配列の確認を行なった。公開されている配列との間に多型は認めなかった。このPCR産物をプラスミドベクターにサブクローン後、500bp、250bp、100bpなどの長さのPCR産物を作成し、更にプロモーターレスのベクターにサブクローンさせる予定である。最も活性の強いエレメントの組み合わせや、効果的な領域の長さが検討出来れば、将来、前房内での安全な遺伝子導入法が得られる可能性がある。
|