2004 Fiscal Year Annual Research Report
末梢神経損傷後の神経再生におけるニューロトロフィン受容体p75の役割
Project/Area Number |
16791089
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久保 盾貴 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00362707)
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Keywords | 末梢神経再生 / 坐骨神経 / ニューロトロフィン受容体p75 |
Research Abstract |
(1)p75 knockout (KO) miceでは末梢神経再生は、wild type (WT) miceに比して促進されるか。 p75 KO, WT各々のマウス坐骨神経損傷遠位部に術後7,14,28日目に神経トレーサーを逆行性に投与し、脊髄にある神経細胞体を染色。それらの細胞数をカウントしたが、いずれの日数においても両者間に統計学的有意差は認めなかった。また、損傷後7日目に損傷部位より遠位部の神経を採取、GAP43にて免疫染色し、損傷部を越えて軸索再生した神経軸索の数をカウントした。これに関しては現在評価中である。 術後7,11,14,21,28日目に足跡分析により損傷坐骨神経の回復を評価したところ、いずれの日数においても両者間に有意差は認めなかった。また、術後14,21,28日目に神経損傷部位より遠位を電気刺激し前脛骨筋における筋電図(振幅)、及び神経伝導速度を測定した。術後21日目にKOで有意に伝導速度が速かった他は両者間に有意差を認めなかった。 (2)末梢神経再生においてシュワン細胞のp75は重要であるか。 末梢神経再生におけるシュワン細胞のp75の役割を調べるため、nude mouseの坐骨神経を5mmの長さで切除し、そこにKOおよびWT mouseから採取した1cmの坐骨神経を移植したモデルを作成した。 (1)と同様にKO, WT各々のマウス坐骨神経損傷遠位部に対し術後6,10週目に神経トレーサーを逆行性に投与し、脊髄にある神経細胞体を染色。それらの細胞数をカウントした。現在評価中てあるが、6週ではWTにおいて有意に多くの染色細胞を認めている。今後は、損傷遠位部の神経をトルイジンブルーで染色し再ミエリン化(ミエリンの厚さを測定)、神経軸索の数、単位面積あたりの軸索数を評価し、(1)と同様に経時的に足跡分析、筋電図、神経伝導速度を測定、評価する予定である。
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