2005 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質脱リン酸化反応によるアポトーシス誘導機序の調節
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16791110
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森本 景之 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (30335806)
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Keywords | PKR / アポトーシス / 骨芽細胞 / 蛋白質脱リン酸化酵素 / オカダ酸 |
Research Abstract |
蛋白質脱リン酸化酵素(PP1)阻害剤であるオカダ酸で細胞を処理するとPKR/eIF2α経路が活性化し、アポトーシスが誘導される。今回の目的は蛋白質脱リン酸化酵素PP1を調節し、PKR/eIF2α経路を介したアポトーシスをコントロールすることである。PKR/eIF2α経路とアポトーシスの関係を解明するためにPKR遺伝子変異細胞株の作成とオカダ酸によるNF-kB経路の活性化について検討した。 1.PP1をオカダ酸により阻害するとNF-kBとIkBがリン酸化されNF-kB, EGR-1転写活性が上昇しPTENが発現すること、PKR-eIF2α経路が活性化され蛋白質新合成が停止すること、さらに最終的にアポトーシスが生じることを明らかとした。これらの結果の一部はJ Cell Biochem誌およびJ Biochem誌に発表し、J Cell Biochem誌に現在印刷中である。残りの結果については現在論文投稿中である。 2.PKR変異骨芽細胞を樹立した。変異細胞と正常細胞ではオカダ酸によるIkBのリン酸化残基が異なること、石灰化能等の骨芽細胞としての性質に違いが生じること、細菌抽出物によるアポトーシス誘導が異なることを明らかとした。これら結果の一部についてはMole Cell Biochem誌およびExp Cell Res誌に発表した。また残りの結果については現在論文準備中である。 3.細胞周期を停止させるとPP1の発現量が変化する事を明らかとし、Cell Biochem Funct誌に発表した。 以上に示すように、現在までにPKRとアポトーシスとの相互関係を明らかとし、PP1阻害剤の作用点についても明らかとする結果を得ている。また、PKR変異細胞においてアポトーシス誘導機序の違いや骨芽細胞の機能の調節等についても明らかとした。こうした事よりアポトーシスのみならず正常骨芽細胞の機能や細胞周期の進行にPP1とPKRが深く関わっている事を解明する事が出来た。
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