2004 Fiscal Year Annual Research Report
歯根膜の発生と再生過程におけるマラッセの上皮遺残の動態
Project/Area Number |
16791120
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
田所 治 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (20319106)
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Keywords | マラッセの上皮遺残 / heterogeneity / 歯根膜の発生と再生 / 歯の移動 / 上皮性細胞 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
・歯根膜発生と再生過程におけるマラッセの上皮遺残の動態 1.実験動物(ラット:生後6週齢)、必要な薬品、上顎臼歯を移動させるための歯科用ワイヤーなどを準備した。 2.ラットの上顎臼歯に歯科用ワイヤーを装着して、歯の移動1日後、3日後、7日後、14日後に各々を麻酔後、屠殺した。 3.各々のラットの口腔から、上顎臼歯部を取り出し、固定液にて固定した。 4.硬組織を多量に含む組織であるため、約2週間脱灰液に浸した。 5.厚さ約30μmの組織切片を作製し、マラッセの上皮遺残(以後、上皮遺残と記す)に特異的な抗体と濃度を検索した。(現在も進行中) 6.厚さ約30μm組織切片を作製し、歯根膜の樹状細胞様細胞に特異的な抗体と濃度を検索した。(同定済み) 7.6で得られた樹状細胞は、一部電子顕微鏡下で観察し、上皮遺残と、形態学的にどのような関わりがあるのか検索した。(現在も進行中) なお、1と2については、研究協力者と共同で行った。 *なお、コントロールとして、同週齢のラットを用いた。上顎臼歯歯根膜にある上皮遺残を形態的に追求している。現在も進行中である。国内外の研究者間では、ラットの上皮遺残は、歯頚部のみにしか存在しないと言われてきた。しかし、歯根を網目状に包むように分布する上皮遺残の研究結果を得ている。詳細については、検討中である。 ・本年度研究の取りまとめ 歯根膜の樹状細胞に関する基本的なデータは集まって来ているが、マラッセの上皮遺残と樹状細胞との関係を明らかにすることが本研究の主目的である。しかしながら、マラッセの上皮遺残は、様々な抗体に対して免疫陽性を示した。本年度の研究結果は、我々のネコ歯根膜の上皮遺残についての研究結果が示すように、ラットの上皮遺残も同様に、様々な細胞が集まった集合体であることを示唆している。個々の細胞については、特定するのが非常に困難であるのが現状である。本研究の主軸となるマラッセの上皮遺残を、形態的に確立すること、発生と再生過程における変化を同時に明らかにする必要がある。
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