2005 Fiscal Year Annual Research Report
コンディショナルノックアウト法を用いた慢性関節リウマチ病因因子RA-A47の解析
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16791124
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
服部 高子 岡山大学, 大学院医歯薬総合研究科, 助手 (00228488)
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Keywords | 関節リウマチ / HSP47 / RA-A47 / CCN2 / CTGF / 炎症性サイトカイン / 2型コラーゲン / トランスジェニックマウス / 自己免疫疾患 |
Research Abstract |
関節リウマチ関連抗原RA-A47/HSP47はヒト軟骨細胞株HCS-2/8より関節リウマチ患者血清との反応性を指標に単離されたコラーゲン特異的分子シャペロンである。このHSP47は、関節リウマチ時に関節液中に放出されている炎症性サイトカイン刺激によりその発現量が減少することが当初の研究より明らかになっており,HSP47アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いてHSP47をノックダウンする事によっても炎症性サイトカイン刺激時と同様にiNOS, MMP-9の遺伝子発現が上昇する一方、炎症性サイトカイン刺激時には観察されなかった結合組織増殖因子CCN2/CTGFの細胞外への放出が顕著に誘導されていた(論文発表)。軟骨細胞にリコンビナントCCN2/CTGFを添加するとHSP47の発現は抑制される一方,2型コラーゲンの発現が誘導されており,細胞内に小胞体ストレスが引き起こされていると思われる。軟骨細胞におけるCCN2/CTGFの誘導剤であるデキサメタゾンを添加した場合にも同様にHSP47の発現抑制と2型コラーゲンの発現誘導が観察され,これらの結果からHSP47の発現抑制が軟骨細胞外へのCCN2/CTGFの放出を引き起こし,さらにこのCCN2/CTGFがHSP47の発現を抑制する,フィードバック機構が働いて軟骨細胞における障害性の因子の誘導が加速されるのではないかと考えられる。一方,CCN2/CTGFを皮膚由来繊維芽細胞に添加すると,HSP47の発現は1型コラーゲンと同調して上昇し,皮膚におけるCCN2/CTGFによるHSP47の発現量変化の影響は、自己免疫疾患と考えられているSystemic Sclerosisと密接な関係があると思われる。 さらにCCN2/CTGFの軟骨細胞における過剰発現の影響をin vivoで確かめるために,軟骨特異的プロモーターである2型コラーゲンプロモーターを用いてCCN2/CTGFを過剰発現させたトランスジェニックマウスを我々は作製した。現在,骨、軟骨組織におけるCCN2/CTGFの過剰発現のRA-A47への影響を解析している。
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Research Products
(2 results)