2005 Fiscal Year Annual Research Report
自律神経機能統合最高中枢である脳幹弧束核細胞のグルタミン酸受容機構
Project/Area Number |
16791133
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
遠藤 隆行 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (10297343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 隆 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (10064669)
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Keywords | 脳幹孤束核細胞 / カルシウムチャネル / アンギオテンシン受容体 / GTP結合蛋白質 / Srcチロシンキナーゼ / p38MAPK / チャネル修飾 / 促進作用 |
Research Abstract |
ラット脳幹孤束核細胞(以下NTS)の電位依存性カルシウムチャネル(以下VDCCs)に対するアンギオテンシンII(以下Ang II)の効果を検討した。単離したNTSに全細胞膜記録型パッチクランプ法を適用し、Ang IIを投与したところ、167nMのEC50を有するVDCCs促進作用が見られた。促進したVDCCsのサブタイプを調べるとL型VDCCsであった。この応答はAT1受容体アンタゴニストの前処理によって遮断された。また細胞内にGTP結合蛋白質のサブタイプGiの抗体を注入すると、この応答は発現しなくなった。さらにチロシンキナーゼ阻害剤であるGenistein、Lavendusin A、ミトゲン活性化蛋白キナーゼ阻害剤PD98,059、Srcチロシンキナーゼ阻害剤であるPP2およびp38MAPK阻害剤であるSB202190の前処理を施した細胞においても、この応答は発現しなくなった。しかしながら、ホスフォリパーゼC阻害薬であるU-73122、ホスファチジルイノシトール3キナーゼ阻害剤であるLY294002、p42/p44キナーゼ阻害剤であるU0126、JNKキナーゼ阻害剤であるSP600125の前処理によっては応答は発現した。このことから、NTSにおいてAng IIはAT1受容体と結合し、GiタイプのGTP結合蛋白質を介して、Srcチロシンキナーゼおよびp38MAPKをシグナルとして用いてL型VDCCsを活性化することが明らかになった。
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