2004 Fiscal Year Annual Research Report
不随意顎運動の発現に関わる大脳基底核機能の行動薬理学的解明
Project/Area Number |
16791136
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
池田 弘子 日本大学, 歯学部, 助手 (70297844)
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Keywords | 黒質網様部 / GABA / 側坐核 / ドパミン |
Research Abstract |
黒質網様部(SNR)は,線条体や視床下核などからの入力を受け,大脳基底核において重要な役割を果たすことが指摘されているが,その詳細は明らかではない。そこで本申請の研究では,SNRのGABA_A受容体に着目し,SNRのラットの不随意顎運動およびturning behaviour発現を指標とした大脳基底核における役割を解明することを目的とした。 本年度は,SNRにおけるGABA_A受容体機能の亢進または抑制が,不随意顎運動およびturning behaviourの発現に関与するか否かを検討した。 片側のSNRに,GABA_A受容体アゴニストのmuscimol(10-50ng)を注入すると,注入側と反対方向へ向かう著明なturning behaviourが発現した。また,その回転パターンは,側坐核shellのドパミン受容体刺激誘発turning behaviourと類似のパターン(pivoting)を示した。このmuscimol(50ng)誘発pivotingは, GABA_A受容体アンタゴニストのbicuculline(200ng)を併用注入することにより有意に抑制された。一方,bicuculline(200ng)の単独注入では,著明なturning behaviourの発現は認められなかった。 両側のSNRに,muscimol(50ng)を注入すると,顎運動が発現した。このmuscimol(50ng)誘発顎運動は,bicuculline(150ng)を併用注入することにより有意に抑制された。一方,bicuculline(150ng)の単独注入では,著明な顎運動の発現は認められなかった。 以上の結果から,片側のSNRのGABA_A受容体を刺激することによってturning behaviourが,両側のSNRのGABA_A受容体を刺激することによって顎運動が発現することが明らかとなった。
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