2004 Fiscal Year Annual Research Report
生きた破骨細胞のリアルタイム観察によるカルシトニン作用の解明
Project/Area Number |
16791138
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
奥村 茂樹 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (80350825)
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Keywords | 破骨細胞 / アクチン / 微小管 / カルシトニン |
Research Abstract |
破骨細胞の骨吸収活性には、細胞骨格が重要な役割を果たしているため、破骨細胞における細胞骨格の動態を観察した。 破骨細胞における細胞骨格の分布を検討した結果、アクチンリングおよび微小管が認められた。破骨細胞に微小管重合剤ノコダゾールを処理すると、微小管の脱重合に伴ってアクチンリングの崩壊が認められ、破骨細胞におけるアクチンと微小管の相互作用が示唆された。 次に、アクチンフィラメントおよび微小管の構成成分であるアクチンおよびチューブリンと蛍光タンパクEGFPの融合タンパク(EGFP-アクチン、EGFP-チューブリン)をレトロウイルスベクターを用いて細胞に発現させ、共焦点顕微鏡を用いて生細胞における細胞骨格の解析を行った。初めに、発現効率の良い骨芽細胞を用いてEGFP-アクチンおよびEGFP-チューブリンの発現を検討した。その結果、EGFP-アクチンおよびEGFP-チューブリン共に細胞内で蛍光を発し、線維状の蛍光画像が得られたことから、これらEGFP融合タンパクは、内因性のアクチンやチューブリンと重合してアクチンフィラメントおよび微小管を形成することが明らかとなった。次に、同様の実験系を用いて破骨細胞にEGFP-アクチンを発現させ、アクチンリングの動態を観察した結果、アクチンリングを形成するポドソームのlife timeは、約2〜4分であること、ノコダゾール処理により、アクチンリングの崩壊に伴って細胞周囲に新たに形成された仮足状の膜突出部に、ポドソームが再形成されることが明らかとなった。 最後に、カルシトニンシグナルの下流因子を探索した。カルシトニン処理によってリン酸化される破骨細胞のタンパクを抗リン酸化PKA基質抗体を用いてウェスタンブロッティング法で解析した。その結果、約65kDおよび210kDにPKAでリン酸化される基質が認められた。
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