2004 Fiscal Year Annual Research Report
真核細胞におけるDNA修復とNSAIDの役割に関する研究
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16791140
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山野 茂 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (20312374)
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Keywords | NSAID / VEGF / DNA修復 / DNA損傷 |
Research Abstract |
本研究ではNSAIDがVEGFの調節を介して損傷DNAの修復に与える効果について検索している。 16年度 -NSAIDのVEGFに与える影響- 10cm細胞培養dishに各種細胞を培養し、NSAID添加群と非添加群に分け、培養細胞の形態学的変化の観察を行なうとともに、定量的RT-PCR(mRNAレベル)、ウエスタンブロット(タンパクレベル)によりVEGFの発現を解析した。検出される変化が添加するNSAIDの量に依存的かどうか、あるいはシクロオキシゲナーゼやプロスタグランジン等の細胞性因子やNSAID阻害剤によりNSAIDの効果に影響がみられるかどうかについて現在解析中である。 -NSAIDのDNA修復に与える影響- 上記のNSAID添加群と非添加群でDNA修復効率に生じる変化を解析した。細胞に与える障害として紫外線、γ線等の物理的刺激を用い、障害後の細胞について、形態学的変化の観察を行なうとともに、DNA修復因子群の発現変化を定量的RT-PCRにより解析した。解析の対象には既知のDNA修復因子のほか、hRPB11bα(Grandemange S et al.,BMC Mol Biol,2:14,2001)やPMS2Lなど、DNA修復因子との相同性が示されているものの未だ機能が不明なものを含めている。また傷害細胞から抽出した核酸DNAについて、DNA修復効率試験を行ない、DNAの各次構造の変化を解析した。DNA修復効率試験として、nested PCRによるマイクロサテライト解析、鎖特異的プローブを用いたDNA修復アッセイ、ピリミジンダイマー特異的にDNAを切断する酵素、T4エンドヌクレアーゼVを利用したDNA修復アッセイを現在行なっている。
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