2005 Fiscal Year Annual Research Report
NK細胞における細胞傷害能を活性化するシグナル伝達機構の解析
Project/Area Number |
16791150
|
Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
井上 博 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (10330143)
|
Keywords | NK細胞 / 免疫学 / シグナル伝達 / 細胞殺傷能 |
Research Abstract |
1)NK3.3細胞の細胞傷害時における細胞膜上におけるCD2分子局在の検討を行なった. NK3.3とK562を5分間反応させた後3.7%ホルマリンにて固定し、共焦点レーザー顕微鏡にてCD2の局在を観察した.その結果NK3.3にCD2架橋刺激を加えると、NK3.3上のraftとCD2共に細胞膜上のK562との接着部分に凝集してくる事が確認できた.この2つの凝集部位を重ね合わせるとraftとCD2の凝集部位が一致することを確認した.次に、NK3.3をCD2架橋刺激した後NK3.3上のCD2とCD2のリガンドであるK562上のCD58との局在を観察した.NK3.3上のCD2とK562上のCD58が共に接着部位に凝集してくる事が確認出来た. 2)CD2架橋刺激による細胞内タンパクのチロシンリン酸化状態の検討を行なった. NK3.3にpolystylene beadsにて固相化した抗体(Control,CD2,CD28,FcγR等)により架橋刺激を加えた.抗リン酸化チロシン抗体を用いたWestern blotting法により、LATのチロシンリン酸化状態を検出した.その結果CD2架橋刺激にて、細胞内アダプタータンパクLATのチロシンリン酸化の増強がみられた.CD2架橋刺激におけるLATのチロシンリン酸化の増強はCD2の濃度依存性に認められた.またCD2架橋刺激後30秒でLATのチロシンリン酸化が認められ,以後5分で最強となる事が確認された. 今回の結果により、NK3.3がCD2架橋刺激にて活性化され標的細胞を殺傷する際にNK3.3上のraftとCD2が標的細胞との接着部位に凝集してくることが確認された.またCD2架橋刺激によりNK3.3が活性化されアダプタータンパクのLATがチロシンリン酸化される事が確認され,NK3.3のCD2分子を介した活性化シグナル伝達経路の一部が解明できた.
|