2004 Fiscal Year Annual Research Report
歯根の発達、形成及び第三象牙質産生に関する因子の解明に関する研究
Project/Area Number |
16791163
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
村上 宜子 昭和大学, 歯学部, 講師 (10297038)
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Keywords | 歯根の発達・形成 / 第三象牙質 |
Research Abstract |
ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)は種々の細胞増殖因子や基底膜細胞外マトリックス成分などの広範な蛋白質と結合してこれらの蛋白質の活性や機能を制御したり、細胞内に特異的なシグナル応答を導く。我々が作成した象牙芽細胞様細胞が多く含まれるcDNA libraryにGlypican-1が多く含まれていた。レーザーによる損傷を与えた歯髄の治癒過程におけるGlypican-1の発現を酵素抗体法によって調べたところ象牙芽細胞様細胞で発現していた。Glypican-1の発現と象牙芽細胞様細胞の分化や第三象牙質産生との関係をラット培養歯髄細胞を用いて検討した。(材料及び方法)5週齢の雄性wisterラット(同腹)7匹の下顎切歯より歯髄組織を摘出し、Collagenase、trypsin、EDTAを含む酵素液にて細胞を分離し、5%FBS、300μg/ml、β Glycerophosphate、50μg/ml Ascorbic acidを含むα-MEMにて29日間培養した。培養液は2日ごとに交換した。培養3日、7日、10日、14日、17日にてそれぞれTotal RNAを抽出しc-DNAを合成し、Glypican-1の発現をTGF-beta 1と比較した。さらに培養期間を長くし29日について同様にGlypican-1の発現を調べた。(結果)培養20日前後より石灰化結節がみられた。3日、7日、10日、14日、17日の培養においてTGF-beta 1の発現が認められ時間の経過とともに発現量がわずかに増加していた。Glypican-1の発現はTGF-beta 1より弱く、17日で最も強く発現していた。29日では、TGF-beta 1は培養期間中最も強かったが、Glypican-1の発現は減少していた。(考察)培養歯髄細胞におけるGlypican-1の発現は17日までは、培養時間とともに増加していたが、29日では減少していた。TGF-beta 1は時間の経過とともに増加していた。
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