2005 Fiscal Year Annual Research Report
レーザースペックル法の光重合型レジン重合収縮挙動観察への応用
Project/Area Number |
16791164
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
陸田 明智 日本大学, 歯学部, 助手 (40287660)
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Keywords | 光重合型レジン / レーザースペックル干渉法 / 重合収縮挙動 |
Research Abstract |
光重合型レジンは,その重合硬化に伴って重合収縮という現象を生じる。重合収縮の発生は,修復物と窩壁との間にギャップを形成し,辺縁漏洩ひいては歯髄刺激の原因となり、修復物の予後への影響が大きいところからその挙動に関してはこれまでに多くの報告がある。しかし,これらの検討のほとんどは,レジンペーストを一塊として測定するものであり,同一ペースト内の異なる部位における重合挙動に着目したものは少ない。 そこで改良型レーザースペックル装置を用いて,光重合型レジンの重合硬化途次における重合挙動の観察を行った結果,重合反応に伴って生じる局所の移動距離および方向は可視光線の光強度に影響されることが判明している。 さらに詳細な影響についての検討を進めるため,可視光線の光強度を600mW/cm^2および100mW/cm^2の2条件を設定し,レジンペーストの物性に影響を及ぼすフィラー含有量を55.6wt%,68.0wt%,76.6wt%および80.0wt%の4条件に調整して検討を行った。 その結果,スペックルパターンの一致度は,供試したいずれのレジンペーストにおいても可視光線照射の開始とともに急激に低下する傾向が認められた。また,光強度の低い100mW/cm^2においては600mW/cm^2と比較して一致度の回復に時間がかかる傾向が認められた。この変化は,測定面であるモールド側面と底面とで異なるものであり,その違いは100mW/cm^2で顕著であった。 次に,フィラー含有量の違いにおいてはスペックルパターンに著名な変化は認められえなかった。したがって,フイラーは物性に影響を与えるが重合に影響を与えることは少ないのではないかと考えられた。
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