2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16791178
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 靖子 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (20360919)
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Keywords | 異所性 / 骨形成 / ラット / 骨吸収 / BMP-2 |
Research Abstract |
本年度はラットの異所性骨形成モデルの確立、さらにこれを用いて異所性に形成された骨の吸収の動態を追い、吸収抑制の方法を検討することを目標に研究を進めた。 ラット皮下埋植における異所性骨形成を誘導するモデル確立のためには、大腸菌由来のrecombinant human bone morphogenetic protein(rhBMP-2)を試用し、代表者らがこれまでに多く用い、担体として安定したデータを得ているfibrous glass membrane(FGM)を担体とした。4週齢の雄ラット背部皮下にrhBMP-2を凍結乾燥により含浸させたサンプルを埋植し、3週目に屠殺、サンプルを摘出して検討した。大腸菌由来のrhBMP-2では、生体由来のものに比べ異所性骨誘導はやや劣るものの、容量依存的に明らかに骨を形成した。 さらに確立モデルを利用し、異所性骨形成の長期経過を追い骨吸収の動態について検討したところ、異所性骨形成にも関わらず、吸収の転機をとる様子が低い頻度でのみ観察され、吸収は予想に反して活発ではないことが明らかになった。生化学的分析による検討は現在進行中である。 以上より、本年度は異所性骨形成モデルを確立し、異所性骨形成を安定した形で誘導し、経時的に異所性にて形成された骨は吸収しにくいという結果を得た。本来なら骨が存在しない部位において機能していない骨は吸収されていくという予想に反しリモでリングは吸収と形成のバランスがとられていたことと推測されるが、この機序についての考察を深め、吸収とはなぜおこるのかを再度検討する課題が次年度の目標となった。
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