2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16791181
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩松 正明 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (30343031)
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Keywords | 総義歯 / functionalMRI / 口腔機能 / 脳血流動態 |
Research Abstract |
本研究の目的は、義歯による口腔機能の回復効果を脳科学的観点から検証し,補綴治療の診断基準を脳科学的観点から考察することである。この目的の遂行に際し、総義歯を使用している患者を被験者として,総義歯を装着していない状態と装着した状態で種々の顎口腔系の機能運動を行なわせ,その際の脳血流動態を機能的磁気共鳴画像(functionalMRI)にて撮像する。初年度の本年度は総義歯の機能評価ならびに各試行タスクの個体差、再現性の検討、実験のデザインの検討を行った。なお、すべての被験者には、本研究の目的・方法について十分な説明を行い、研究参加への同意を得た。 その結果、3ヶ月以上使用した義歯では、タッピング運動や顎運動路、かみ締め動作や咀嚼運動などの機能運動が安定すること、ならびに咬合接触面積の歯列上分布が軽度かみ締め時と中等度かみ締め時でほぼ同一のパタンを示すようになることが判明し、義歯による口腔機能の回復効果を検証するのに十分であることが明らかとなった。一方、かみ締め動作を行う際の運動制御の再現性を正常被験者5名を用いて検索したところ、かみ締めの大きさ・方向が一定ならば、脳は基本的に一定の制御パタンを選択する可能性が示唆され、かみ締め動作に対して、大きさ、方向などの制御要素を条件づけるべきであることが判明した。さらに、液晶プロジェクターで視覚刺激による各運動の指示内容、タスクの順序効果の吟味を行い、また、解析に用いるハードウェア関係の構築と、画像処理ソフト(Statistical Parametric Mapping 99:SPM99)を用いた解析手法を確立した。
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