2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16791181
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩松 正明 東北大学, 大学院歯学研究科, 助手 (30343031)
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Keywords | 総義歯 / functional MRI / 口腔機能 / 脳血流動態 |
Research Abstract |
本研究の目的は、義歯などの補綴治療による顎口腔機能の改善が全身機能に及ぼす影響に関して科学的に立証し,また,全身機能の回復という観点からの補綴治療の診断基準を確立することである。そこで本研究では、脳血流動態を指標として義歯による口腔機能の回復効果を脳科学的観点から検証することを試みた。被験者は、東北大学歯学部付属病院高齢者歯科診療室に総義歯治療を希望して来院した患者である。各被験者には本研究の目的,内容および安全性について十分な説明を行い,インフォームドコンセントを得た。被験者に,総義歯を装着していない状態と装着した状態で種々の顎口腔系の機能運動を行なわせ,その際の脳血流動態を機能的磁気共鳴画像(functional MRI)にて撮像する。 本年度は、被験者の顎口腔機能の異常の有無ならびに義歯の異常の有無を評価し、研究への妥当性を確認した。各被験者の義歯による口腔機能回復を定量的に評価するために、比色法による咀嚼能率の測定を行ったところ、総義歯装着により咀嚼能率は平均で健常者の35.9%回復されることが明らかとなった。また、随意的最大かみ締め時の脳血流量の総義歯装着時と非装着時での差分分析から、側頭部大脳皮質の脳血流量に差があることが明らかとなり、総義歯装着による口腔機能の回復が、脳血流動態に影響を与えることが確認された。
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