2004 Fiscal Year Annual Research Report
多孔質酸化チタン/BMPコンポジットを利用した骨誘導インプラントの開発
Project/Area Number |
16791182
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
羽鳥 弘毅 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (40372320)
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Keywords | 多孔質酸化チタン / 細胞親和性 / 生体親和性 / 細胞培養実験 / ヒト歯根膜由来線維芽細胞 / ラット頭蓋冠由来骨芽細胞様細胞 / ラット頭蓋骨 / オッセオインテグレーション |
Research Abstract |
多孔質酸化チタンの細胞親和性および生体親和性を検討するために以下の実験を行った. I.細胞培養実験 平均粒径65,189,374μmの純チタン粒子をそれぞれ焼結させることにより作製された多孔質酸化チタンディスク(直径5mm,厚さ2mm)に,ヒト歯根膜由来線維芽細胞およびラット頭蓋冠由来骨芽細胞様細胞を播種し1週間培養した.1週間後,ディスク表面と割断面についてSEM観察およびファロイジン染色による観察を行い,試験片表面から内部への各細胞の侵入程度について比較検討を行った.また,同様の手法を用いて試験片表面および内部での細胞分裂・細胞増殖の評価を行った.その結果,平均粒径374μmの試料から作製された多孔質酸化チタンディスクにおいて最も活発に細胞の増殖および試験片への細胞侵入が観察された. II.ラット頭蓋骨骨膜下への埋入実験 多孔質酸化チタンの生体親和性を解析する目的で,平均粒径374μmの純チタン粒子を焼結させることにより作製された多孔質酸化チタンディスク(直径4mm,厚さ1.5mm)を用いてin vivoの実験を行った.試験片を12週齢Wistar系雄性ラット頭蓋骨骨膜下に設置し(設置期間は3ヶ月とした),多孔質酸化チタンの生体親和性について観察を行った.その結果,多孔質酸化チタンディスクのポア内部まで骨が侵入している状態が観察され,多孔質酸化チタンディスクと頭蓋骨とは強固にオッセオインテグレーションしている様子が確認された.また,試験片周囲には炎症状態は確認されなかった. 実験IおよびIIより,多孔質酸化チタンは優れた細胞親和性と生体親和性を有することが示唆された.
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