2004 Fiscal Year Annual Research Report
インプラント・骨の界面における全面吸収を予測する三次元有限要素モデルの追求
Project/Area Number |
16791186
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
STEGAROIU Roxana 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (10303140)
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Keywords | 骨応力 / 海綿骨 / インプラント / 3次元有限要素法 |
Research Abstract |
インプラント・骨の界面における全面吸収を予測するための三次元有限要素モデルの検討を行った。 まず、骨梁を無視してシミュレートした従来モデル(海綿骨を等方性のある材質としたもの)および中間モデル(海綿骨を異方性のある材質としたもの)を製作し、モデル間での応力の比較検討を行った。その結果、それぞれの応力値間に数パーセント程度の差を認めたものの、大きな差は認められなかった。すなわち、骨梁をシミュレートせず、材質の特徴のみを変更させたモデルでは、シミュレートが従来モデルに類似し、全面吸収を予測するためのモデルとなりえない事が示された。 次に骨梁構造をシミュレートした精密モデルを作製し、従来モデルとの比較検討を試みた。サルの橈骨のマイクロCTデータを原画像とし、3次元骨梁構造計測ソフト(TRI/3D-Bon, RATOC社)にて、皮質骨および海綿骨の2値化画像を編集し、インプラントが骨に埋入された精密モデルを製作した。さらに三次元有限要素解析ソフト(TRI/3D-FEM, RATOC社)を用いてインプラントの上部に垂直(25N)および側方(12.5N)の分布荷重を与え、各方向から応力解析を行った。一方、従来モデルは上述の原画像を用い、海綿骨を等方性のある材質として製作し、同条件下で解析を行った。インプラント周囲骨の応力分布を材質別に観察した結果、荷重方向にかかわらず、精密モデルは従来モデルより2.5〜3倍高い最大応力値を示した。また、従来モデルでは高い応力がインプラントの底部の角のみに認められたのに比べ、精密モデルではインプラント・海綿骨の界面の大部分に高い応力が認められた。 以上の結果より、過大な負担によるインプラント・骨の界面における広範な骨吸収現象を予測するためには、従来モデルより精密モデルが適していることが明らかとなった。この結果を踏まえ、現在はインプラントの原物および人の顎骨(標本)マイクロCTデータを用いた精密モデルの製作を試みているところである。
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Research Products
(3 results)