2004 Fiscal Year Annual Research Report
精神的ストレスが歯根膜感覚鈍磨を惹起する可能性に関する精神生理学的解析
Project/Area Number |
16791188
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
沖 和広 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00346454)
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Keywords | 歯根膜感覚 / 精神的ストレス / 暗算負荷 / 自律神経 / 心電図 / 交感神経 |
Research Abstract |
精神的ならびに内科的疾患を有さない9名の被験者(男性4名,女性5名,年齢24〜32歳)を対象として実験を行った. 歯根膜感覚闘値の測定は,右側上顎犬歯を被験歯として,ひずみゲージを応用した自作の荷重装置を用いて行った.被験歯に対する荷重は極限法上昇系列に準じて行い,被験者は被験歯に荷重を感じた時点でデータレコーダーに接続したトリガースイッチを押し,この時点において記録される荷重値を計測値とした.測定は10回行い,計測値の平均値を被験者固有の歯根膜感覚閾値とした. 精神状態の評価は心電図RR間隔変動の周波数解析によって行った.心電図RR間隔変動の周波数解析は,0.04〜0.15Hzの低周波成分のパワー値(LF : msec2,交感神経,副交感神経活動の指標)と0.15〜0.40Hzの高周波成分のパワー値(HF : msec2,副交感神経活動の指標),LF/HF(交感神経活動の指標)の1分間平均値を算出して行った. 実験は以下の手順に従つて行った;(1)被験者に心電図記録用心電電極を貼付した後,安静時の歯根膜感覚閾値の測定ならびに1分間の心電図データを記録した.(2)5分間の休憩後に精神的ストレスとして暗算負荷を10分間被験者に実施させた.(3)精神的ストレス負荷後の歯根膜感覚閾値の測定ならびに1分間の心電図データを記録した. 心電図データ各指標に関しては,LF成分なちびにLF/HFは精神的ストレス負荷前後において有意に増加し,HF成分は有意な変化を示さなかった.歯根膜感覚閾値に関しては,精神的ストレス負荷前後において有意な増加が認められた.また,歯根膜感覚閾値は心電図データの各指標のうちLF/HFに対して有意な正の相関を示した. 本実験の結果から,精神的ストレスは自律神経系のうち交感神経の活動性を高めるとともに,歯根膜感覚閾値の増加も惹起することが示唆された.
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Research Products
(1 results)