2004 Fiscal Year Annual Research Report
下顎骨狭窄のメカニズムとインプラントのオッセオインテグレーション喪失に関する研究
Project/Area Number |
16791196
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山内 英嗣 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (10304544)
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Keywords | インプラント / オッセオインテグレーョン / 喪失 / 幅径変化 |
Research Abstract |
下顎オトガイ孔後方部までフィクスチャーを埋入し,固定式フルブリッジタイプの上部構造で補綴した場合,上部構造体装着後,オトガイ孔後方部のフィクスチャーがオッセオインテグレーションの喪失をきたすケースを経験することがある.この場合,当該フィクスチャーを撤去後,上部構造体を第一大臼歯後方付近で切断し使用しているのが現状である.上部構造体装着後に生じるオトガイ孔後方部に埋入したフィクスチャーのオッセオインテグレーション喪失に関しては,下顎骨の解剖学的形態に基づく幅径変化および狭窄力が,フィクスチャー周囲へ及ぼす直接的あるいは上部構造体を介した間接的な負荷に起因するとの報告もあり,オトガイ孔後方に埋入されたフィクスチャーのオッセオインテグレーション喪失の原因を解明するためには,顎運動時,とくに偏心運動時および機能運動時の下顎骨幅径変化および狭窄力について解析する必要がある.そこで本研究では,インプラント補綴患者の顎運動測定を行うと同時に,オトガイ孔後方部に埋入された臼歯部インプラント間の幅径変化および狭窄力を測定し,下顎骨狭窄のメカニズムとフィクスチャーの動態を解析することによって,オッセオインテグレーション喪失との関連性を解明することを目的とする. 本年度は,下顎左右側第一大臼歯部にブローネマルクインプラントを各1本(下顎左側第一大臼歯にはブローネマルクインプラントMark III 18 mm,下顎右側第一大臼歯にはブローネマルクインプラントMark III 15 mm)埋入し,同部を除いて天然歯を有する患者を被験者として選択し,機能運動時の下顎骨の幅径変化を測定した.その結果,前方滑走運動時,最大で58.9μmの下顎骨の幅径変化が生じた.次年度は,被験者数を増やすとともに,無歯顎患者の下顎オトガイ孔後方部に埋入された左右臼歯部インプラント間に生じる幅径変化を測定する予定である.
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